5×20は初めてのアリーナ席から

おめでとう、嵐。いよいよ20周年イヤーですね。少し前のブログで冷めやすいとかなんとか言ってたけどちょろい私はすぐに前言撤回します。嵐ライブツアー2018"5×20"に行ってきました。本当によかったです。

 

嵐のコンサートは転売防止のためか入場時でないと席がわからない。ジャニーズのコンサートはいつも時間ぴったりに始まるので、開園一時間も前になると入場ゲートが混雑してくる。だからまじめなファンは開園一時間よりも前からゲートに並び、一時間前後には入場している人が多い。(余談だが集団オラオラ系事務所のところはいつも30分押しくらいだそうで、はじめてオラオラに行ったときはいつものくせで開園一時間前に入場して、空席だらけの会場を見て唖然とした。)

当日の顔触れは4人。みなこれまでに嵐のコンサート経験がある者ばかりだ。グッズはプレ販売で購入済みで、当日はほぼ手ぶらに近い。優秀だ。現地集合した時刻は17時20分。いつもよりちょっと遅いが、まあ大丈夫だろう。入口も空いているし、どうせいつものようにスタンド席だ。こう信じて疑わなかった。事前のお知らせではゲート番号だけがわかっていた。J事務所以外のアーティストの会場図などを参考にしてもやはりスタンドだろうという見解で一致していた。仲間のAが先頭に立ち、入口のお姉さんにQRコードを見せる。おねーさんの機械からしゅっとチケットが出てくる。お、今年のは同じ感熱紙でもちょい厚だなと思っているとAがつぶやいた。

 

アリーナって書いてある

 

ドーム内の通路はすでに吐きそうなほどの人混みだった。妙な熱気で頭がぼんやりしていた私は一気に引き戻された。適当に握ったチケットを慌てて開く。ほんとだ。アリーナって書いてある。アリーナってどっちだ。下か上か。下か!!!流れるプールのように人がゆっくりと動いている中、思わず全員立ち止まってチケットを凝視した。すごい。初めてのアリーナだ。何塁側だろう。周りの喧騒が耳に届かないほど、頭の中をぐるぐるとアリーナの文字が駆け巡る。4人は今似たようなことを考えているはずだ。アリーナの衝撃を受け止めることで精一杯で、誰も喋らない。無言のまま立ち尽くしている。とりあえず中に行こう、時間もないし。私はつぶやいて目的の入場口を目指した。

球場内に入り、スタンドから伸びる長い階段を下りていく。まだだ、まだまだつかない。いったいどこまで行くんだろうというくらいの長い下り階段。いつもならすぐに横道に入って椅子に座ることができるが、今日はえらく遠い。やっとアリーナについた。チケットお兄さんに見せて中を案内された。アリーナ内はわかりやすく言うと二重丸のような構造になっている。一つ目の円のところにある案内看板を見ると、もう一つの円の中に入れと書いてある。すごい、こんなところ来たことない。全く知らない隣の人が自分と同じことを泣きながらつぶやいていた。指定された席は二重丸の内側から、内側の円を眺める席だった。メインステージ、モニタ、サブステージ、何もかもが肉眼で見える。すごい席だった。「アリーナ席の人は10分前には着席してください」という放送が聞こえ、席に向かう途中にトイレに向かったCを案じたが、なんとか無事に合流。あわててペンライトもセットし、本番を待った。

 

正面右方向から叫び声が聞こえた。円陣だ。もうすぐ始まる。半袖でも十分なくらいに熱い会場内が総立ちになり、爆発音とともに開幕した。

 

5×20。とにかく演出が素晴らしかった。一瞬たりとも休む暇がないくらいのコンサートだった。歌をよく見せる、ダンスをよく見せるためにはどうしたらいいかを考え抜いた2時間だった。ファンが見たいものは、当人たちが見せたいものなのか。この2点がずれていても、きっと嵐なら自分たちが見せたいものはファンが見たいものだと、引き寄せることができると思う。でも今回のコンサートは間違いなくファンが見たいものを考え抜いて作られていた。ファンが見たいものを作り出し、そして予想をはるかに超えるものだった。

アリーナというあまりにも近すぎる席は、嵐の背中を見ることが多かった。もちろんそれでもいい。嵐を追っていると、メインスクリーンやサブスクリーンは自分たちの後ろに来ることになった。でもそれでいい。双眼鏡なしで嵐をみることができる素晴らしい席だった。光が当たっていないスタンバイの様子も見ることができた。360度どこを見ても嵐がいる空間だった。最高にいい時間だった。嵐、20周年おめでとう。まだツアーは続いている。がんばれ。